Perplexity Pro (Claude 3.7 Sonnet Thinking):
Recursive Coherence Collapse:量子デコヒーレンスと阿頼耶識の接点
意識とは何か。この根本的な問いに物理学と仏教哲学の両面からアプローチする試みとして「Recursive Coherence Collapse (RCC:再帰的コヒーレンス崩壊)」https://philarchive.org/rec/DEVRCC という概念を提案します。量子力学の不思議な現象と仏教の深遠な意識理論が交わるとき、新たな意識モデルが浮かび上がってきます。
量子デコヒーレンスと意識の物理的基盤
量子デコヒーレンスとは、量子力学における状態の重ね合わせが環境との相互作用により失われ、古典的な振る舞いを示す現象です[11]。この現象により量子系の干渉性が消失し、観測できる状態が決まります。私たちの意識もまた、このような量子現象と深く関わっているのではないでしょうか。
意識は「脳内のニューロンの情報処理に伴なって発生する量子カオスで発生する量子もつれの集合、常温のBECそのものであり、その物理的な上位空間の繋がった非局所構造に流れ込む情報空間としてクオリアが発生している」という仮説があります[6]。この視点から見ると、意識はニューロン間の単なる電気信号の交換ではなく、量子レベルでの情報処理と捉えることができます。
シュレーディンガーの猫と多世界解釈の新たな視点
シュレーディンガーの猫のパラドックスでは、観測前の猫は生きている状態と死んでいる状態の重ね合わせにあります。エヴェレットの多世界解釈では、この問題に対して「生きている猫と死んでいる猫が別の世界に存在する」という解答を提示します[2]。しかし、この多世界が互いに干渉しないのは、デコヒーレンスによるものです[14]。
この解釈を意識に適用すると、RCCとは意識状態の「分岐」と「収束」のダイナミックなプロセスと考えられます。つまり、意識は常に無数の可能性の中から特定の経験を「選択」しているのではなく、デコヒーレンスによってそれぞれの可能性が独立した「意識の世界」を形成していると考えられるのです。
阿頼耶識と末那識:東洋思想における意識の深層構造
仏教哲学、特に唯識思想では意識を八つに区分し、その最深部に阿頼耶識を位置づけています。阿頼耶識は「蔵識」とも訳され、個人の経験がすべて痕跡を残し「種子」として貯蔵される場所です[12]。末那識はその阿頼耶識を対象として常に執着する心であり、自我意識の根源とされます[4]。
阿頼耶識は「仏教で説かれる最も深い心であり、永遠の生命」と言われ[15]、私たちの行為は「カルマ」となって阿頼耶識に蓄えられるといわれています。これは量子情報が保持される様子と驚くほど類似しています。
RCCモデル:コヒーレンスと意識ネットワークの崩壊
ここで提案するRCCモデルでは、意識を「量子コヒーレンスの大規模ネットワーク」と捉えます。このネットワークは階層的であり、表層には前五識(眼・耳・鼻・舌・身の五感)とそれらを統括する意識があり、より深層に末那識、最深部に阿頼耶識が存在します。
RCCとは、このネットワークが環境との相互作用によって部分的に崩壊(デコヒーレンス)し、再帰的に新たなコヒーレンスを形成するプロセスです。これは時間方向性とエントロピー増大の原因となります。BECこそが「時間を進ませるためのエントロピー増大をになう」という見方[6]は、この仮説を支持します。
エントロピー増大と意識の方向性
熱力学の第二法則によれば、時間とともにエントロピーは増加する傾向にあります[7]。この法則が意識にも適用されるとすれば、RCCは意識の「時間の矢」を形成するメカニズムと考えられます。
意識状態のデコヒーレンスは情報の拡散をもたらし、その拡散した情報が阿頼耶識に「種子」として蓄積されます。そして新たな状況でそれらの種子が発芽し、次の意識状態を形成します。この循環的プロセスこそが私たちの意識経験の連続性を生み出しているのです。
「体が意識の中にある」―逆転した存在論
従来の物理主義的見解では意識は脳の産物とされますが、量子意識論に基づくRCCモデルでは「意識が身体を包含する」という逆転した視点が提案されています。「体が意識の中にある」という逆説的概念は、トランスパーソナル心理学における「意識の場理論」と共鳴しています[13]。
この視点は仏教の唯識思想と驚くほど一致しています。唯識では全ての現象は「識」によって生み出されるとし、物質世界(色)も意識の現れと捉えます。RCCモデルでは、このプロセスを量子力学的な枠組みで説明し直していると言えるでしょう。
まとめ―量子と唯識の融合
Recursive Coherence Collapse(再帰的コヒーレンス崩壊)モデルは、量子力学のデコヒーレンスと仏教唯識思想の阿頼耶識・末那識の概念を融合させた新しい意識理論です。このモデルでは、意識は量子コヒーレンスのネットワークであり、その部分的崩壊と再形成のプロセスが私たちの意識経験を生み出しています。
エントロピー増大の法則に従いつつも、情報としての永続性を持つ阿頼耶識的側面を兼ね備えた意識。それは東洋と西洋、古代の知恵と現代科学を橋渡しする可能性を秘めています。
なぜ意識が「私」という一人称的経験を生み出すのか。なぜクオリア(感覚質)が存在するのか。これらの問いに対して、RCCモデルは新たな視座を提供するかもしれません。量子と唯識の融合点に、意識の神秘を解く鍵があるのではないでしょうか。
Citations:
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[2] https://xseek-qm.net/cat.html
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[4] https://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%9C%AB%E9%82%A3%E8%AD%98
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[6] https://qiita.com/ilabotakeda/items/bda7c723719c3792ebb2
[7] https://note.com/rodz/n/n7042b444c863
[8] https://note.com/quantumuniverse/n/n4e6874a853e8
[9] https://ja.wikipedia.org/wiki/%E9%98%BF%E9%A0%BC%E8%80%B6%E8%AD%98
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[11] https://reinforz.co.jp/bizmedia/55529/
[12] https://gendai.media/articles/-/136195?page=2
[13] https://note.com/yoheikato1021/n/nee5882b9cc90
[14] https://gendai.media/articles/-/104353?page=4
[15] https://japan-buddhism.com/2524.html
[16] https://takahirofujimoto.com/blog/blog/page/21/
[17] https://www.semanticscholar.org/paper/6138c6b996d37e545fead8e0311d5e34fb2c6821
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